work accident 労働災害

労働災害とは

仕事中や通勤中の事故で怪我をした場合,病気になってしまった場合には労働災害に当たる可能性があり,労災給付や会社に対する損害賠償を請求できるケースがあります。

例えば,建設現場での高所作業中の事故,倉庫内の作業中にフォークリフトの巻き込まれた事故,通勤中の交通事故等が典型的ですが,過労死や,セクハラパワハラ等により精神障害が発生した場合も,労働災害と判断されることもあります。

 

労災給付の内容

療養補償給付 治療関係費

休業補償給付 療養中の休業4日目から支給。

障害補償給付 怪我による後遺障害が残った場合に支給。

遺族補償給付 労働災害で死亡した場合,遺族に支給。

葬祭料    葬祭を行った者に支給。

傷病補償年金 傷病等級1級から3級に該当する場合に支給。

介護補償給付 一定の障害を負い,現に介護を受けている場合に支給。

 

会社に対する損害賠償請求

従業員が業務上怪我をしてしまったこと等について,会社に責任がある場合,労災給付とは別に,会社に対しても損害賠償請求を出来ます。

例えば,他の従業員の不注意によって怪我をしてしまったような場合,使用者責任(民法715条)に基づく損害賠償請求を行うことが出来ます。

また,一人で作業していた場合であっても,教育不足や,会社から提供された道具に不備があった場合等,会社が,必要とされる安全措置をとっていなかった場合には,安全配慮義務違反により,損害賠償請求が認められることがあります。

 

会社に対する損害賠償請求をする際,労災給付は法律上既払金と位置づけられるので,労災給付と会社に対する損害賠償請求の差額を,会社に請求していくことになります(ただし,休業補償特別給付は控除されない)。

 

後遺障害について

労災による怪我で治療が終了しても,後遺症が残ることがあります。

そのような場合には,労働基準監督署に,障害補償給付支給請求を提出し,後遺障害の認定を行ってもらうことになります。後遺障害の有無や等級によって,最終的な賠償額が全く変わってくるので,後遺障害の認定はとても重要な手続きです。

後遺障害の認定は,医師に記載してもらう診断書の内容に左右されますので,診断書の作成の際には,ご自身の症状を正確に反映してもらうようにしましょう。

 

事故発生から解決までの流れ

1 労災の申請

  会社に行ってもらうのが通常ですが,会社側はこれを拒否してくることもありますので,そのような場合には,労働基準監督署で書類を取得して,ご自身で行うことも可能です。

2 会社への損害賠償請求(示談交渉)

  労災保険より支払われる費目は,法律上会社に対して認められ得る費目と比較して少ないため,労災保険で補償される範囲をこえている部分については,会社に請求していくことになります。

  会社に安全配慮義務違反が認められる場合には,労災保険のみを受給する場合と比較して,賠償額が大幅に増額します。

  損害賠償請求における示談交渉は,的確な法的根拠に基づいて行うことが求められますし,ご自身で交渉を行うときの精神的負担は甚大ですので,専門の弁護士に依頼されることをおすすめします。

3 訴訟

  会社が安全配慮義務を認めず支払を認めない場合,金額が折り合わない場合には,民事訴訟を提起して,支払を求めていくこととなります。

 

労災でご家族をなくされた方へ

労災によって,突然ご家族をなくされた方は,大きな悲しみを抱えるとともに,今後の生活に対して大きな不安を抱え,途方に暮れているかもしれません。

お辛い状況であるからこそ,今後の生活の不安を少しでも和らげられるよう,十分な賠償を受けることを一緒に検討していきたいと思いますので,ぜひご相談いただければと思います。以下では,死亡事故の場合の請求についてご説明いたします。

 

死亡の場合にも労災給付の内容(※リンク)の欄に記載した内容の給付を受けることが出来ますが,慰謝料についてはそこに含まれません。

 このため,慰謝料を受領するためには,会社に対して,不法行為による損害賠償請求をする必要があります。不法行為による損害賠償請求が認められるためには,会社に過失(安全配慮義務違反)があったということを被害者の側が立証する必要があります。

 慰謝料については,被害者本人の慰謝料請求権を遺族が相続した分のほか,遺族固有の慰謝料請求を行うことも出来る場合があります。

 被害者本人が請求できる慰謝料の額は,当該被害者の置かれている事情によって,概ね2000~2800万円が目安となるとされています。

 その他,被害者が生前に得ていた収入を元に,生きていれば得られたはずであろう収入(逸失利益)を請求することができます。

>>弁護士費用(労働災害)

弁護士へご相談を

労災事故においては,労災の申請から損害賠償請求まで,様々な場面で会社との交渉が要求されます。ですが,一従業員が事業主側と対等に交渉を行うことは困難な場合が多いでしょう。

ただでさえ,お怪我あるいは遺族を亡くされたなどお辛い時期であることは明らかであるので,ご自身での交渉によって,その精神的苦痛がなおさら大きくなってしまうことも考えられます。

早期に弁護士に相談していただくことで,以後どのように動けば良いのか見通しを立てることができ,精神的にも落ち着くことができますし,会社側が労災の申請を拒否する場合などにも適切な対処をすることができます。

加えて,弁護士が介入することで,会社の安全配慮義務違反が認められたり,金額が大幅に増額することも珍しくありません。

このほか,時間が経てば経つほど証拠の収集が難しくなるという事情もあります。

労災事故に遭われたら,できるだけお早めにご相談下さい。

執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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当事務所は、広島に地域密着で、個人法務(離婚・相続・交通事故・労働災害・借金問題等)から、企業法務(予防法務・企業内トラブル・企業間トラブル等)まで、幅広い分野の案件を取り扱っております。
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