法人(事業主)破産の解決事例③

法人破産(美容院)

負債総額

約8000万円

債権者数

15社

相談までの経緯

依頼者は,約15年前に,個人で美容院を開業後,法人成りして2店舗目を出店するなど,順調に売り上げを伸ばしていたところであったが,新型コロナウイルスの感染拡大により,お客さんが減ってしまい,1店舗目を閉店することとなった。その後も融資を受けるなどして何とか持ちこたえていたが,従業員が独立したり,客の引き抜きなどによりさらに経営状態が悪化した。新型コロナウイルス関連の融資を受けたり,金融機関と掛け合ってリスケを行うなどしてなんとか経営を続けていたところであったが,売り上げは回復せず,手持ち資金もなくなり,法人破産を検討せざるを得なくなり,弁護士への相談に至った。
代表者個人についても法人債務を保証していたため,同時に破産を検討することとなった。

解決内容

裁判所へ納める管財費用等の破産にかかる費用をどのように準備するのかが問題となるところではあったが,自宅不動産の任意売却によって,準備が可能となった。法人及び個人の破産申立を行い,法人については破産手続終結,個人については免責決定を得ることができた。
なお,代表者は小規模企業共済に入っていたが,小規模企業共済は自由財産であるため,破産手続きによって没収されることはないため,法人破産の開始決定が出た段階で,代表者個人において手続きを行い,共済金を受給することで,その後に必要となった費用を準備することができた。

弁護士による解説・解決のポイント

法人破産を検討される方はギリギリまで事業の継続を模索されるため,破産の費用すら準備出来ないという状況まで頑張ってしまうことも多々あります。この点,法人破産や代表者の破産をするためには,裁判所に納める予納金や弁護士費用がかかりますので,これらすら準備出来ない状況に陥ってしまうと破産すらできないということも考えられます。本件では代表者が自宅不動産を保有していたこともあり,破産の費用を何とか準備することができました。事案によっては,ご親族にお願いして準備される方もおられますし,不動産以外の動産などを売却して準備される方もおられます。
このため,法人破産をご検討の方は,最低限の手持ち資金を有している段階でご相談いただければと思います。しかしながら,ぎりぎりまで頑張ってしまい,ほとんど手持ち資金がなくなってしまった段階であっても,費用を準備する手段がないか一緒に検討することも可能ですので,諦めずに一度相談頂ければと思います。

執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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