法人(事業主)破産の解決事例④

法人破産(リサイクルショップ・運送業)

負債総額

約1300万円

債権者数

5社

相談までの経緯

依頼者は,リサイクルショップでの勤務を経て,約10年前に依頼法人を設立し,リサイクル業を行うようになった。数年前からリサイクル業での売り上げが不振となったため,配送業者からの下請け業務を行うようになった。しかし,配送業者からの契約も打ち切られ,他の配送業者からの下請けも検討したが条件が合わず,続けることができなくなった。リサイクル業についても,不用品買取や持ち込みでの買取で収集した物品を,自社で販売したり,ネットオークションなどで販売はしていたものの,販売価格が低廉であることもあり,思ったように利益を上げることができなかった。新型コロナウイルス関係の特別融資を受けるなどして,ギリギリのところで経営を続けていたものの,いよいよ事業の継続が困難となったために,破産を検討し,弁護士へ依頼することになった。

解決内容

依頼者は,法人名義で,自動車を所有していたところ,依頼者の居住している地域は自動車が生活手段として必須であるため,法人名義の自動車の取得を希望された。法人名義の車両は,かなり古く,財産的価値も皆無を考えられたため,中古車販売業者で査定を取ってもらった上で,代表者個人名義に名義変更をした。
また,破産の費用についても,自身が共有持分を有している自宅について,その持分を親族に買い取ってもらうことで現金を準備し,また,親族に住まわしてもらう形で,自宅への居住を続けることが可能となった。
法人及び代表者個人の破産を申し立て,法人については破産手続終結,個人については免責決定を得ることができた。

弁護士による解説・解決のポイント

法人を経営されている代表者の方については,自動車を法人名義で所有されている方が多いかと思います。また,自動車が生活の足としてどうしても必要という地域も少なくないかと思います。そのような際であっても,法人が破産すると,自動車も換価,配当の対象となるため,代表者個人では取得することができないのが原則となります。
しかしながら,法人から個人が正当な金額で自動車を買い取るということは可能であり,その金額が正当であるということを裏付けるために,査定資料を取っておくことが必要です。また,客観的に,明らかに価値がない(0円)であり,処分費用の方が高く付くような場合であれば,無償での名義変更も認められることもあります。
自動車のみならず,他の法人財産についても取得を希望される物がある場合には,面談時に弁護士へご相談頂ければと思います。

執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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